👴 年金・国際 | 2026年6月8日 | ⏱ 約9分
外国人・海外移住者の年金:脱退一時金と年金通算
📌 この記事でわかること
- 外国人が日本出国後に年金の脱退一時金を請求できる条件と金額の計算方法
- 社会保障協定による年金加入期間通算の仕組みと対象国一覧
- 海外在住者でも日本の年金を受け取る方法と手続き
- 脱退一時金 vs 年金受給継続のどちらが有利かの判断基準
📋 この記事の目次
外国人と日本の年金制度:基本的な加入義務
日本の年金制度は国籍を問わず居住地ベースで加入義務が課されます。日本国内に住所を持つ20歳以上60歳未満の方は原則として国民年金に加入します(会社員・公務員は厚生年金)。
短期滞在(観光・商用等)を除く、就労・留学等で中長期間日本に在住する外国人も同様に加入義務があります。加入した保険料は将来の老齢年金として積み立てられますが、受給資格を得るには原則10年以上の加入期間が必要です。
脱退一時金の制度・条件・計算方法
脱退一時金とは、日本国籍を持たない外国人が日本を出国した後、受給資格期間(10年)を満たす前に年金を返還してもらえる制度です。
脱退一時金の請求条件
- 日本国籍を有していないこと
- 国民年金・厚生年金の被保険者期間が6ヶ月以上あること
- 日本国内に住所を持たないこと(出国後に請求)
- 老齢年金の受給権を有していないこと
- 帰国後2年以内に請求すること
| 厚生年金の加入期間 | 脱退一時金支給月数(上限60月) |
|---|---|
| 6ヶ月以上12ヶ月未満 | 6月分 |
| 12ヶ月以上18ヶ月未満 | 12月分 |
| 36ヶ月以上42ヶ月未満 | 36月分 |
| 54ヶ月以上60ヶ月未満 | 54月分 |
| 60ヶ月以上(5年以上) | 60月分(上限) |
脱退一時金の計算式:平均標準報酬額 × 支給率(保険料率の1/2 × 支給月数)。支給時に20.42%の所得税(非居住者)が源泉徴収されます。
社会保障協定による年金通算
社会保障協定(Social Security Agreement)は、日本と相手国の両方で年金保険料を二重に払わないようにする協定です。また、両国の加入期間を通算して受給資格期間(10年)を満たすことができます。
社会保障協定の主な締結国(2026年時点)
| 締結国 | 二重払い防止 | 期間通算 |
|---|---|---|
| ドイツ・米国・英国・フランス | あり | あり |
| オーストラリア・カナダ・韓国 | あり | あり |
| 中国・インド・フィリピン他 | 協議中/未締結 | 未 |
社会保障協定の締結国に移住する場合、日本での年金加入期間と相手国の期間を合算して受給資格を得られる可能性があります。詳細は日本年金機構または相手国の社会保障機関にお問い合わせください。
海外在住者の日本年金受給手続き
受給資格(10年以上の加入期間)を満たしていれば、海外在住でも日本の老齢年金を受け取ることができます。
海外在住の年金受給に必要な手続き
- 海外に転出する前に年金事務所で「海外転出の届出」を行う
- 年金の振込先として海外の銀行口座を指定(または日本国内の代理人口座)
- 毎年「現況届」(生存確認)を提出する(9月に送付)
- 受給時に日本の所得税が源泉徴収される場合がある(租税条約の有無による)
脱退一時金 vs 受給継続の損益分岐点
受給資格期間(10年)に到達する見込みのある方は、脱退一時金ではなく年金受給を選択する方が長期的に有利な場合があります。
例として、日本で8年間加入していた外国人の場合、社会保障協定国(例:ドイツ)に移住して2年以上加入すれば通算10年に達し、老齢基礎年金を受給できます。一方、脱退一時金は「受け取り損」になるケースもあります。
判断のポイントは①今後日本や協定国での加入年数②将来の年金受給見込み額と脱退一時金の差額③老後の居住計画です。日本年金機構での無料相談も活用しましょう。
✅ 今すぐできる3ステップ
- ねんきん定期便で現在の加入期間・年金見込み額を確認する
- 移住先・帰国先の国と日本が社会保障協定を締結しているか確認する
- 年金事務所の無料相談で脱退一時金と受給継続のどちらが有利かをシミュレーションしてもらう
よくある質問
Q. 外国人が日本を離れる際に年金の脱退一時金を受け取れますか?
A. はい、日本国籍を持たない方が日本を出国した場合、6ヶ月以上の加入期間があれば脱退一時金を請求できます。帰国後2年以内に請求する必要があります。
Q. 脱退一時金の金額はいくらですか?
A. 平均標準報酬額と加入期間(最大60月)をもとに計算されます。厚生年金で5年以上加入した場合、数十〜百万円程度になるケースがあります。支給時に20.42%が源泉徴収されます。
Q. 社会保障協定とは何ですか?どの国と結んでいますか?
A. 二重払い防止と年金加入期間通算のための条約です。ドイツ・米国・英国・フランス・オーストラリア・韓国など25カ国以上と締結しています。
Q. 海外移住後も日本の年金を受け取れますか?
A. はい、受給資格を満たしていれば海外居住でも年金を受け取れます。海外の銀行口座への送金申請と毎年の現況届提出が必要です。
Q. 海外にいる間も国民年金の保険料を払い続けられますか?
A. 海外居住者は任意加入制度を利用して国民年金に継続加入できます。将来の年金額を増やしたい場合に有効です。
Q. 外国人で日本で年金を受け取る権利はありますか?
A. 国籍は問いません。受給資格(10年以上の加入期間)を満たせば、外国人でも老齢基礎年金・老齢厚生年金を受け取る権利があります。
⚠️ 免責事項
本記事は情報提供を目的としており、年金制度・協定の内容は変更される場合があります。重要な判断の際は日本年金機構または専門家にご相談ください。
📚 参考・公式情報
🤝 専門家への無料相談窓口
- 日本年金機構「年金相談センター」(年金・社会保険)
- 日本FP協会「くらしとお金」の無料相談(マネー全般)
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