相続税の計算方法完全ガイド:基礎控除・税率・節税対策2026年版
相続税は「知っている人」と「知らない人」で大きく納税額が変わる税金です。基礎知識を把握し、適切な対策を講じることで合法的に節税が可能です。この記事では相続税の計算フローを実例を交えて詳しく解説します。
相続税の基本:課税される財産とされない財産
相続税の課税対象財産
- 預貯金・現金
- 有価証券(株式・投資信託・国債等)
- 不動産(土地・建物)
- 生命保険金(相続人が受け取るもの)※非課税枠あり
- 退職手当金・死亡退職金 ※非課税枠あり
- 貸付金・売掛金
- 宝石・骨董品・車等の動産
非課税財産(課税されない)
- 墓地・墓石・仏壇・仏具
- 国や地方公共団体等に寄附した財産
- 生命保険金の非課税枠(500万円 × 法定相続人数)
- 退職手当金の非課税枠(500万円 × 法定相続人数)
相続税の計算ステップ
STEP1:遺産の総額を算出する
各財産を評価して合計します。不動産は路線価・固定資産税評価額を基に計算します。
STEP2:基礎控除を差し引く
基礎控除額 = 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数
| 法定相続人数 | 基礎控除額 |
|---|---|
| 1人 | 3,600万円 |
| 2人 | 4,200万円 |
| 3人 | 4,800万円 |
| 4人 | 5,400万円 |
STEP3:法定相続分で按分して税率を適用
課税遺産総額を法定相続分で按分し、各相続人ごとに相続税率を適用して「相続税の総額」を計算します。
| 法定相続分に応じた取得金額 | 税率 | 控除額 |
|---|---|---|
| 1,000万円以下 | 10% | なし |
| 3,000万円以下 | 15% | 50万円 |
| 5,000万円以下 | 20% | 200万円 |
| 1億円以下 | 30% | 700万円 |
| 2億円以下 | 40% | 1,700万円 |
| 3億円以下 | 45% | 2,700万円 |
| 6億円以下 | 50% | 4,200万円 |
| 6億円超 | 55% | 7,200万円 |
STEP4:各人の実際の相続割合で按分する
STEP3で求めた「相続税の総額」を、各相続人が実際に取得した財産の割合で按分します。
STEP5:税額控除を差し引く
配偶者の税額軽減・小規模宅地等の特例等の適用を考慮します。
計算例:遺産1億円・法定相続人3人(配偶者+子2人)
- 遺産総額:1億円
- 基礎控除:3,000万 + 600万 × 3 = 4,800万円
- 課税遺産総額:1億 − 4,800万 = 5,200万円
- 法定相続分:配偶者1/2(2,600万)、子各1/4(1,300万×2)
- 各自の相続税額:配偶者 2,600万×15%-50万=340万、子各 1,300万×15%-50万=145万
- 相続税の総額:340万+145万+145万=630万円
- 配偶者の税額軽減:1億6,000万円まで非課税 → 配偶者の税負担ゼロ
- 子2人の最終納税:630万-340万=290万円(各145万円)
強力な節税策:小規模宅地等の特例
自宅(特定居住用宅地)を相続した場合、330㎡まで評価額が80%減額されます。例えば評価額5,000万円の土地は1,000万円まで圧縮できます。
適用要件(特定居住用宅地の場合)
- 配偶者が相続→要件なし(必ず適用可)
- 同居の親族が相続→継続して居住・保有する
- 別居の子が相続(家なき子特例)→過去3年以内に本人・配偶者所有の家に住んでいない等の条件あり
⚠️ 申告が必要。相続税が0円でもこの特例を受けるには相続税申告書の提出が必要です。
相続税の節税対策:生前にできること
①生前贈与(暦年贈与)
毎年110万円以内の贈与は非課税です。ただし相続開始前7年以内(2024年改正)の贈与は相続財産に加算されます。長期的な計画が重要です。
②相続時精算課税制度(2024年改正版)
60歳以上の親・祖父母から18歳以上の子・孫へ最大2,500万円まで贈与税ゼロで贈与可能。2024年からは毎年110万円の非課税枠も追加。
③生命保険の活用
「500万円 × 法定相続人数」が生命保険金の非課税枠です。例えば相続人3人なら1,500万円まで非課税。現金を生命保険に替えるだけで節税できます。
④不動産投資
現金1億円は1億円として評価されますが、不動産に換えると評価額が下がる場合があります(路線価・固定資産税評価額は時価の7〜8割程度)。ただし不動産管理の手間や流動性低下のデメリットもあります。
相続税申告の手続きと注意点
| 手続き | 期限 | 提出先 |
|---|---|---|
| 相続税申告・納付 | 相続開始を知った日の翌日から10ヶ月以内 | 被相続人の住所地の税務署 |
| 延納申請 | 申告期限まで | 同上 |
| 物納申請 | 申告期限まで | 同上 |
申告期限を過ぎると無申告加算税(15〜30%)・延滞税(年率最大14.6%)が発生します。複雑な遺産がある場合は早めに税理士に依頼しましょう。
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⚠️ 免責事項
本記事は情報提供を目的としており、税務・法務・投資等の個別アドバイスではありません。個別の判断については専門家(税理士・弁護士・ファイナンシャルプランナー等)または公的機関にご相談ください。
よくある質問
Q. 相続税がかかるのは遺産がいくら以上からですか?
A. 基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人数)を超えた場合に申告・納税が必要です。法定相続人が3人なら4,800万円超から課税されます。
Q. 相続税はいつまでに払う必要がありますか?
A. 相続開始を知った日の翌日から10ヶ月以内に申告・納付が必要です。期限を過ぎると延滞税・加算税が発生します。
Q. 配偶者は相続税が無税ですか?
A. 配偶者の税額軽減制度があり、1億6,000万円(または法定相続分相当額の大きい方)まで非課税です。ただし相続税申告は必要です。
Q. 相続税の節税で一番効果が大きいのは何ですか?
A. 「小規模宅地等の特例」が最も効果的です。自宅の土地評価額を最大80%減額できます。また生命保険の非課税枠(500万円×法定相続人数)の活用も有効です。